| 今回の試合結果は、オレ藤野の野太い声を想像して読んでください。
この日はオレにとってソネッツ退団前の最後の試合。4月からは群馬県・高崎へ旅立つことが決まっている。
いつものように黒のワンボックスカーを駆り出し、チームメイトを乗せて球場へ向かった。
オレの車のサードシートでは谷口が「プロ野球が開幕したが、オレの合コンシリーズも開幕した」とわけのわからないことを言っている。
こんな日常も今日で終わりかと思うと、一抹の寂しさを感じてしまう。
東台野球場に到着し、アップも済ませ試合開始。
オレは慣れ親しんだ「4番・ファースト」でスタメン出場だ。
先攻のソネッツ。トップバッターのARATAがいきなりライトオーバーの3ベースヒットを放った。
さすがARATA。オレ直々の食事トレーニングの成果でパワーがついたようだ。
今後ともトレーニングを欠かさないでもらいたい。高崎に来てくれればいつでもトレーニングに付き合おう。
そんなことを考えている間に笠井さんの内野ゴロで1点を先制。2死走者なしでオレに打順が回ってきた。
この場面はつまりホームランを打てということですねっ。奇しくも相手投手はあの望月と一緒の左腕投手。さぞかし打ちやすい球を放るんだろう。
そんな思いでフルスイングをするもあっけなく三振。同じ左腕でも全く球のキレが違う。敵ながら天晴れだ。
ソネッツの先発投手は中尾さん。最後までその生態がつかみきれなかったが、とりあえずヘ○タイということらしい。
その中尾さん、先頭を打ち取るもその後は制球が定まらず四死球でランナーをためタイムリーを浴び同点にされる。
さらに中尾さんの1塁への牽制悪送球で1点を勝ち越された。
今日はオレにはエラーはつかないとの首脳陣の宣言通り、このプレーは中尾さんにエラーが記録された。
3回表のソネッツの攻撃。先頭打者は川村。
何やらあの気持ち悪い打ち方をやめたようだが、新しい打ち方もやっぱり気持ち悪い。
食のキャプテンを継承するなら、ここはやはり我が敬愛するノリさんのバット投げ打法を身につけてもらいたいものだ。
とか考えていると川村がセンター前へ鋭い打球を放ち、さらに相手センターが打球の処理を誤り2ベースヒットで出塁。
普通の打者なら3ベースだが、足の遅さはオレ譲りのようで安心した。
さらに1死2塁から中尾さんがライト前へヒットを放つと、返球が1塁上の中尾さんに当たり転々とする間に川村がホームイン。
ソネッツは同点に追いついた。
続くARATAは空振り三振となるものの、なんとこれを相手捕手が後逸。3塁まで進んでいた中尾さんがこの間にホームインし、ソネッツは3-2と逆転した。
4回表はオレからの打順。ここももちろんホームランを狙ったが結果はショートゴロ。
だがオレ的にはバット投げができたので満足だ。
その後宮痔のダイソン死球や谷口のヒット等で満塁のチャンスを作るも、高尾さんが三振に倒れこの回は無得点。
4回ウラ、相手4番打者のヒット等で2死2塁のピンチとなった。
ここで相手8番打者の放った打球はセンターへ高々とあがるフライに。
やばい。この回からセンターの守備は笠井さんだ。「東台野球場×西東京ヤンキース×センター笠井」はトラウマしかない。
しかも打球の追い方が完全に落下点を見失っている。終わった…。
と思ったが、これを笠井さんが最後まであきらめずスーパーキャッチ。
よかった、これでトラウマは払しょくされた。オレも安心して高崎へ旅立てる。
5回表ソネッツの攻撃は、中尾さんとARATAのヒット等で1死2,3塁の大チャンス。
ここでバッターは3番笠井さん。
トラウマを払しょくしたばかりの笠井さん。ここはオレにチャンスで回してください!
すると笠井さんは異常な粘りを見せ、7球目をレフトへ2点タイムリーヒット。
ソネッツは2点を追加したが、場面は1死1塁と得点圏にランナーはいなくなってしまった。
そしてバッターはオレ藤野。
この打席がソネッツでの最後の打席となってしまう。
ソネッツ入団から9年間の思い出が走馬灯のように駆け巡る。
入団した日のセンターオーバーシングルヒット、ソネッツを食事サークルにしたこと、名古屋で2日間で23食したこと、シュラスコで望月をKOしたこと、山Pの結婚式のためにラーメンを10杯食べて昇天したこと、川村と焼肉キングで決戦し格の違いを見せつけたこと…
様々な思い出がフラッシュバックする中、いつも通りフルスイングし結果は三振。しかしオレに後悔はなかった。
そして最後の守備となった5回ウラ。
涙であまり覚えていないが、なんとなく笠井さんがもう1回センターフライをキャッチしたのと、最後のサードゴロの送球が転送されてきたことは覚えている。
こうしてオレの最後の試合は5-2でソネッツの勝利となった。
最後を勝利で飾れたのはうれしい。
試合後はチームメイトから生まれて初めての胴上げをされた。オレの体重を支えてくれたチームメイトには感謝しきれない。
さあ、この後はオレの送別会でもうひと暴れしてきますかねっ。 |